ゲーム開発におけるスケジュール

ゲーム開発は時間がかかります。やみくもに作ってみると、完成しなかったり延期になったりするのが普通です。開発時間の長い規模の大きいものほどそれは起こりやすいです。長い時間を管理するのは難しく、せいぜい把握できるのは数日くらいです。

ゲームを作るときに数週間先に何の作業をやっていて、どれくらい完成しているかという予想ほど役に立たないものはありません。予定というのは目標であると理解してください。あなたがゲームを作ったことのないスポンサーだったら、「なぜ予定通りに進まないのか」と憤慨することでしょう。それはゲーム開発における予定というのがあやふやなものだからです。
通常、予定というのはやるべきことが分かっています。 多くの場合、同じ作業の繰り返しです。したがって、1回の作業にかかる時間がわかるにつれてどれくらいの時間がかかるのかがはっきりしてきます。また、過去に行ったことであれば予定が立てやすいでしょう。わかりやすい例で言えば、事務作業です。定型的な作業であり、同じようなことを繰り返すものです。作業同士が関係が希薄になっているというのも重要です。これとこれは順序立ててとかセットであるというように関係があると、制限がつくのでやりにくくなります。
やるべきことが明確でなく場当たりてきな対処の連続であり、過去の成果に影響され続けるというのがゲーム開発です。このような特性はスケジュールを立てるということに対し無理があります。おおまかな予想と少し先のことをどうするか決めるのが現実的なところでしょう。

開発の初期はゲームは動きません。困ったことにゲームの一連の流れを確認できるのは始まってからずっと先のことです。こういったものを作りたいという仕様があり、実装できたのが1カ月後ということも普通です。その時に確認してみると、微妙なものになっているということもあります。他の部分の挙動の変更や予定通りにできなくなってしまったことがあったというように原因は様々です。当然これでは無意味な作業だったことになり、作り直しとなります。
今あるゲームに何をすれば面白くなるのかというのは、ある程度形になってから最後まで悩まされ続けます。この通りに作れば面白くなるということは大抵ありません。最初から言うとおりに面白くはならず、ちょっとずつ加えたりなくしたり変更したりして、徐々に面白くなることが多いです。試行錯誤というのはスケジュールを遅延させます。品質のためには必要だと思いますが、非常に時間がかかることを許容できなければなりません。

ゲームを作るのが難しく、またそのスケジュールを立てるのが難しいというのも理解できると思います。やるべきことがわかり、それが細分化されていくことでスケジュールは正確になります。細分化は一人で数日以内で終わる量の作業という程度までわけると見積もることができます。実際の作業はイラストを描いたり、BGMを作成したり、プログラムしたりと専門の人が見積もることになります。大きすぎる単位では見積もりができずあてにならないものになります。

もしチームなど複数の人数で組んでゲームを作るなら、スケジュールの管理をあまり厳しくならないようにした方が良いです。スケジュールの管理を厳しくすることは、単純にやれることを減らしていくことになるだけだからです。
作業にどれくらいの時間がかかるか聞かれた場合は、自分の見積もりの2倍程度(もっと多くても良い。少ないのはまずいです。)申告するのが良いでしょう。その作業に専念することは稀なので、それくらいはかかるものです。