セーブ

ゲームは一般的にセーブが存在します。セーブとは何らかの方法でメモリにある情報を保存する仕組みです。
プログラムはメモリの情報を見て動作するので、通常は前回の実行には全く関係なく実行されます。プログラムの実行を終えたら、メモリの情報は破棄されます。メモリから情報が消されるので、再開とかは不可能なわけです。電源を落としたら最初から遊ぶようなゲームはごく普通のことなのです。

そうはいっても今のゲームは続きから遊べるようになっています。以前遊んだステージをクリアしていたり、取得したアイテムを持っていたりするのが普通です。これは前回までのことが記憶されているということです。

メモリに保存ができないなら、どこか別のところに保存すればいいということでセーブというものがあるのです。セーブにメモリのデータをしまっておいて、次のときにセーブからデータを読み込んでメモリ上に復元します。そうすると以前の続きから遊べるようになります。

セーブの仕組みは端末によります。PCで言えばテキストファイルかバイナリファイルを実行ファイルのあるフォルダに作るとかになります。
このデータをセーブ(データ)とも呼んだりするので、セーブが機能を表しているのか実体としての保存されているデータ形式を表しているのかを気をつけなくてはいけません。
セーブデータを作る機能は扱う端末によりわかれます。ファイルの読み書きなどはOSに依存する低レベルの処理なので、かなり面倒なものです。このあたりは取り扱いが非常に面倒でありゲーム内容に依存しにくいことなので、ゲームエンジンには端末ごとの処理を書かずに何らかのAPIを呼び出すだけでセーブができるようになっています。

UnityではPlayerPrefsという関数でセーブが作れます。

PlayerPrefs.GetIntとPlayerPrefs.SetIntがセットであり、GetIntでセーブからの取得を行いSetIntでセーブへの書き込みを行います。(SetIntは厳密には書き込みではなく、書き込みのときの値を設定しているものです。しかし書き込みと考えていても基本的には問題ありません。)

PlayerPrefsはキーバリュー型の保存方法であり、簡単に使うことができます。キーは文字列でGetInt、SetIntで同じ文字列を使うことでキーに対応する値(バリュー)を読み書きできます。

別の値を表すのにも関わらずキーが同じものを用いてしまうと、値が上書きされます。エラーが発生することはないようです。SetFloatやSetStringで同じキーを用いても問題なく動作し、最後に呼ばれたものだけがセーブに残るみたいです。

PlayerPrefs.SetInt(“test”, 100);

PlayerPrefs.SetFloat(“test”, 0.5f);

PlayerPrefs.SetString(“test”, “hello”);

というように同じキーで3回セットを呼んでいますが、3つ目のみがセーブされます。この後にPlayerPrefs.GetInt(“test”)を呼んでも、デフォルト値の0が返り100が返ることはありません。保存する型が異なってもそれらはキーによってしか区別されないということに注意が要ります。

PlayerPrefsを使う時に最も重要なのは、意図せずキーを重複させないということにつきます。実はセーブにデータ(キーとバリューのペア)が存在してなかったみたいなことが起きても、PlayerPrefsのGet系の関数はデフォルト値を返すためにバグに気付きづらいのです。デフォルト値をいじれるので、明らかな無効値を返すようにしてしまうとかがバグを防ぐ唯一の方法な気がします。その方法も無効値が存在しないデータだと検出できないです。名前の通りキーの取り扱いにはご注意をということなら、良いネーミングセンスです。

PlayerPrefsを直接呼び出すことで非常に簡単にセーブ機能が作れますが、セーブが大きくなってくると管理クラスなどを作った方が良いでしょう。

オートセーブを使うゲームの増加によりユーザーにはその存在がわかりにくくなっていますが、 開発者にはセーブの存在は大きいままです。セーブに関する話題は結構あって、正解ってなんだろうかと考えさせられます。